トバシの携帯 |
トバシの携帯(PHS)という言葉を耳にしたことがあるか? 昔の人間ならば、使い捨て電話といったら解るかも知れない。 一言で言うと、架空名義の電話。である。 何が架空なのか?住所、氏名、生年月日、口座番号、全てが架空だ。 トバシを説明する前に携帯電話のしくみについて学ぶ。 携帯電話の番号は2つの番号の照合結果が正しい場合のみ送受信できる。1つは、端末自体 の持っている番号。もう1つは、基地局が持っている番号。つまりAという番号(自分の番 号だ。)で端末Bから発信(受信)された。基地局はB端末はAと言う番号で発信(受信) されているか照合をする。「A番号 and 端末B」の場合のみ送受信することができる。 端末側のROMの書き換えを行っても使い物にならないのはこの為だ。 君が大事な携帯を紛失した場合は基地局側で登録を消す。新たな端末Cを購入した。基地局 側で「A番号 and 端末C」に照合処理を変更する。 紛失した端末に、大事な彼女からの電話が掛かっていくことはない。 「A番号 not 端末B」だと、どうなるのか? 発信位置の記録をとり回線を切断する。 どう言う意味か解るだろうか? トバシの話に戻る。 架空で契約するとどうなるのか?簡単なことだ、電話代を払わなくていい。それ以上でも それ以下でもない。そのうち止められるだろ?そうだ。その通りだ。しかしその間はいく ら使ってもタダ。 二昔前は、携帯電話は高価なモノであった。メーカーとしても使ってくれるユーザを大切 にしていた。多少の未払いは猶予を設けていた。 一昔前は、携帯電話の乱売があった。これもトバシを作れた要因となっている。 手口としては以下のものがある。 ・自己名義で電話を契約し、直後に営業所で適当な名義に変更、約1カ月にわたり通話で きる電話をつくる。 ・倒産が予測される法人の名義で電話を契約、そのまま倒産に追い込む古来の手段 ・統括コンピューターが稼働しない祝祭日に請求書を手にコンビニにおもむき店員が請求 書のバーコードをレジにかけたら手持ちが足りないと言い訳して立ち去る。 ・多重債務者に対し、債権簿から一定金額の相殺を条件に、住民票を空き家に不正移転、 取得した身分証明書を用いる。住所、氏名、生年月日の三項目が一致していない限りは 同一人物と判断さなかった。したがって住民票を繰り返し移転すれば、無限に契約を繰 り返される計算になる。 請求書が送り返されるとすぐに止まってしまう制度に改められた。どうするか? 請求書は結局名義人が実際に在住している場所へ空き家の最寄り郵便局から転居届を出し て受け取ることする。巧妙だ。 そして、キャリアによる対策の波が容赦なく押し寄せてくる結果となる。 同一の販売店で契約を繰り返すとリストアップされるというのならしばらく間隔をあけて 販売店をまわり5〜10台の電話をおこす。合計3台以上契約された場合は審査をいれる のなら2台までにとどめておく、契約書に記載する一般加入電話の番号が使用されていな いものであるとすぐに止めてしまうDDI、携電各社には、呼出音が続く電話番号をあら かじめ調べて書く。キャリアの外渉部(DoCoMoの場合) が端末に直接督促の電話をかけて きたら、「会社内に置いてある電話だから誰のものかわからない。」と言い逃れる。 対策後、携電も使用期限が3ヶ月から2ヶ月へ短縮されたが、DoCoMoの場合はじめは使用 せず、最初の請求書を受け取り、基本料のみを支払い次の月から使えば4ヶ月使える。 昔のお話。。。 |